こんにちは。岳中爽果のパートナーのはじめです。
「お酒のうつわ」展へのパートナーの追加納品にあわせての料理帖「便乗」更新です。
納品を分散されると僕も忙しくなってしまいます。
追加納品、と言っても、展示は12月26日までだったので間に合っていませんが、心意気だけは買ってください(ついでに器も買ってください!)。
今回は、長芋と溶けるチーズを使ってとろみを演出するクリームシチューです。ホワイトソースもバターも小麦粉も使いません。
白っぽい旬の食材で今回はホタテを加えましたが、牡蠣でも白子でも加えるとメイン感が増します。でも、残念ながら白ご飯が進むわけではないので、我が家では浸水しておいたショートパスタも加えてパスタ料理として楽しむことが多いです。
上の画像はフジッリを加えたものです。
色々とアレンジできるので、お好きな白い食材を使って楽しんでください。
長芋のクリームシチュー
皆さん、ホワイトソースは作りますか?
僕は時折1リットルの牛乳を使ってホワイトソースをまとめて作っています。グラタンが食べたくなると作ります。我が家ではこの分量で2回分なので、半分は冷凍しておきます。2回分なら、これくらいの作業、なんでもないです。
でも、気合いを入れないと作れないのは確かで、そんな時はこのレシピです。
このレシピにしても手間は手間ですけれど、精神的には随分とハードルが低いです。
バターも使わないし、牛乳も200ccなので、体重計にも優しいと思います。
道具
・厚手の鍋 この分量だと、手順4でパスタ200gを加えると22cmル・クルーゼ(容量3.3リットル)にいっぱいになります。
材料
・鶏挽肉 150g程度
・鶏挽肉用の塩 1.2g
・ホタテ 6個
・玉ねぎ 半分(90g程度)
・金時人参 1本(170g程度)
・きのこ(今回はブナピー、エリンギ) 120g程度
・長芋 200g
・溶けるチーズ2枚
・オイル 小さじ1程度
・塩 全重量の0.8%相当(【塩の使い方についての考え方】参照)
・酒 大さじ2(料理酒ではないもの)
・水 200cc
・牛乳 200cc
・タイム
・胡椒(あれば白胡椒)
塩の使い方についての考え方
色んな具が入って、量も多くて、こういう料理の塩味の決め方って、まとめて決めようとすると難しいと思います。
こんな時も、材料ごとに重量比0.8%で分けて考えると割とすっと決まってくれます。
具の重さなんて毎回変わるので、具をレシピ通り揃えることに力を注ぐより、手に入った具に合わせて塩を調整できる能力を身につけた方がずっと使い回しができます。
それを多分、知恵というのだと思います。
具は「これでなくてはならない」のではなく、「旬のこれをどう食べるか」で考えた方が経済だし、色々楽だと思います。
もう少し言うと、わざわざ具の重さを測るのは僕にはレシピ執筆のためだけで、具を見て、持てば、だいたい塩の量はわかる、と言うのが主夫の技です。
いちいち測ってられませんよね。ただでさえ忙しいのに。
ここでは「塩」の使い方に絞って考察したいと思います。
基本は素材の重量比0.8%です。
ホタテの下味に塩。
次に炒める鶏挽肉も下味の塩胡椒を決めておきます。
続いて野菜を炒めます。玉ねぎ、金時人参、きのこ、水、酒の重量が600g程なので、塩は5g程です。
最後に加える牛乳と長芋は400gなので3g程。
これをつど加えて、最後に調整すれば少なくとも塩味で間違えることはないですし、塩味さえ決まっていれば、後の問題は些細なことです。
手順
1)野菜の下ごしらえをします。
玉ねぎは繊維に沿って薄切り、人参ときのこは一口サイズに切ります。
エリンギは縦に裂いてもいいのですが、僕は横に厚みを持たせて切ります。食感も強くなりますし、見た目もちょっとホタテっぽくて食べるときに楽しいです。
長芋は洗って水気を拭いてから髭を焼き切り、皮ごとすりおろします(手順4の煮込み10分の間にすりおろしてもいいです)。気になるなら皮を剥きます。
この時一部をすりおろさずに残しておいて鍋に加えると、異なる食感を楽しむことができます。
2)ホタテに焼き目をつけ、取り出します。
煮込み用の鍋を弱めの中火にかけ、温まったらオイルを入れ、オイルが温まったら軽く塩胡椒したホタテを入れ、片面だけ軽く火を通して引き上げます。
ホタテは食べ飽きしやすいので、こうしてアクセントをつけます。
牡蠣を使うなら、片栗粉をまぶしてソテーすると身が縮みません。
白子だったら3%塩水に20分浸してから霜降りし、水気を切って軽くグリルで焼き目をつけるといいです。
いずれも適量の塩味を決めます。
3)鶏挽肉を炒めます。
鍋に続いて鶏挽肉を入れ、平たくならして焼きます。あまり触らずに。下の方が白っぽくなってきたらひっくり返します。何度か繰り返して肉汁が透明になったら火が通っています。塩胡椒を決めます。
菜箸で混ぜ続ける必要はないです。
ただし、「色が変わったら」、ではなく、しっかり火を通します。
4)野菜と水を加えて火を通します。
玉ねぎ、人参、きのこの順に加えて炒め合わせます。
鍋が再び温まったら、酒を加えてアルコール分を飛ばし、水を加えて中火にし、沸いたら塩胡椒、タイムを加えて蓋をし、弱めの中火で10分ほど、吹くまで火を通します。
パスタを加えるならこの後です。
パスタはフジッリなどのショートパスタが扱いやすいと思います。リングイネを半分に折っても使い勝手がいいです。
いずれも2時間ほど水につけておき、沸騰した1%塩水(分量外)に入れ、再沸騰したら水気を切って鍋に加えます。食感はもちもちしてちょっと生麺みたいです。
フジッリ200gを使うなら水を吸って300gになるので、パスタ分の塩2.4gを加えます。
災害時に火力を節約する知恵でもあるので、覚えておくと役に立つかもしれません。
5)牛乳、長芋を加えます。
牛乳を加え、再沸騰したら長芋、ホタテ(または牡蠣、白子)を加えます。温まったら牛乳と長芋分の塩3.2gを加えます。
長芋を含むいわゆる山の芋は生で食べることができる唯一の芋なので、しっかり沸騰させる必要はありません。
むしろ煮込むと牛乳が分離してしまうので、温める程度でいいです。
6)チーズを加え仕上げます。
チーズを加え、蓋をして溶けるのを待ちます。
チーズ分の塩は不要なので、胡椒だけ振って仕上げます。
パスタを加える場合は、チーズを1枚増やすといいと思います。
7)盛りつけます。
シチューには爽果さんのリムスープ皿しかないと思います笑。
温まってください。