の、むこう。趣佳のよみもの。

お店番おーたと主夫さいとうが交わす、趣佳とはほとんど関係のない話を不定期にお届けします。

暮らしにまつわる話が中心なので、全く関係がないわけでもない(という願いも込めて)ということで「の、むこう」という名前にしました。

おーたの「これ、どうなんでしょう?」という大して意味もない質問に、家事好きさいとうが無駄に真剣に語ります。真剣ではありますが、趣佳のことはあまり念頭にありません。

さいとうは家事好きですが、別にカリスマでもスーパーでもないので、これを読んで人生が変わることも、運が向いてくることもないと思います。
多分。

 

 

第1回 わたしとたわし

 

おーたさん

ということで、第1回は「わたしとたわし」です。最近棕櫚のたわしを買って、ウキウキと話していましたね。たわしってどうなんでしょう?

さいとうさん

そうなんです。ちょっと自慢げでしょう。
京都BALの洒落た雑貨屋で扱っていたので、意外感もあり思わず買ってしまいました。京都BALといえば、かつては流行の発信基地のようなものだったと聞いています。ところで、棕櫚のたわしって1,000円近い値段なんです。
あ、ぼくは京都BALに自転車で行ける場所に住んでいて、金継ぎなんかをしています。

ところで、おーたさんのとこはたわしいくつ持ってますか?

おーたさん

京都BALは高校生だったおーた少年がアルバイト代を握りしめて通った思い出のファッションビルです。今やBALでたわしを扱っているんですか。

ちなみに自宅のたわしは鉄フライパン用に硬い素材の亀の子たわしが1つです。

さいとうさん

我が家には3つあります。鉄フライパン用に硬い素材のたわしは正解だとぼくは思います。少し長くなりますが、「わたしとたわし」について語ります。

さいとうの語り:たわしについて語ります

たわしについての一般的な知識はネットで検索してください(手抜き)。

亀の子束子はよく見かけると思います(いや、注意してみないとそんなことはない)。荒物屋(死語ですかね)の店頭にぶら下がっている、オレンジ色っぽい紙の包装に亀の絵が書いてあるやつです。

あれは原料がパームヤシで、ちょっと硬いんです。

たわしの原料はもともと棕櫚だったようで、棕櫚はしなやかで弾力性があって、パームヤシよりずっと柔らかい感じがします。

この二つの素材のたわしを我が家では使い分けています。

わたしとたわし

 

3つあるたわしは、台所に二つ、洗面所に一つです。台所の一つがパームヤシで、そのほかが棕櫚です。

 

台所の棕櫚たわしは野菜とまな板を洗うのに使っています。我が家では野菜の皮はたわしで洗うだけで、基本的に剥きません。山芋をすり下ろす時も、ヒゲを焼き切って皮は剥きません。

皮の部分に栄養がある、ということが一番の理由ですが、まあ、剥く手間も面倒ですし。

 

ちなみに最近ピーラーを手に入れて随分と重宝しています。ピーラーは皮を剥くためではなく、人参なんかを薄くスライスするために使っています。あれは便利です。スライスした人参は鍋の時にしゃぶしゃぶしていただいています。じゃがいもをスライスして、ガレットを作る時にも活躍します(脱線)。

 

野菜を洗うのに、パームヤシだとちょっと硬い気がします。棕櫚の方があたりが柔らかく、毛先がすっと汚れを掻き取ってくれるようです。

ということで、野菜の皮を剥くご家庭には関係のない話でした。

 

続いて台所のパームヤシですが、鉄のフライパン、中華鍋の汚れ落としに使っています。おーた家と同じです。いずれも料理を終えて熱いうちに湯をかけながらたわしで汚れを落とせば、それで十分です。流し終えたら、底の水気だけ台布巾ででも使って拭き取り、火にかけて水気を飛ばせばそれ以上メンテナンスはいりません。底の水気を拭き取るのは熱効率をよくするためです。IHだと意味があるのかどうか、ぼくにはわかりません。

鉄のフライパン乾かし中

こびりつきがひどい時だけささらでかきとりますが、そう滅多にあることではありません。それでも落ちないときは水を張ってしばらく沸かし続ければ大抵のこびりつきは落ちます。もし、こういうことが続くのであれば、火加減について根本的に問い直した方がいいと思います。

というわけで、鉄のフライパン、中華鍋に洗剤は使いません。

これも、テフロンのフライパンだけ使うご家庭には関係のない話ですね。

 

最後に洗面所の棕櫚たわしですが、風呂場の床の目地掃除にちょうどいいんです。やはりパームだとちょっと硬くて、床を傷めてしまう恐れがあるので、棕櫚たわしを愛用しています。あまり力を入れずに、先を当てて汚れを落とす感じです。

力の入れすぎは意味がありません。

 

と言いつつ、ついつい力が入ってしまいました。

 

おーたさん

ありがとうございます。
いろんな形があるようですが、使いやすいのはありますか。

さいとうさん

いわゆる「亀の子」の楕円形のものが握りやすくていいと思います。大きいとフライパンの立ち上がりの部分にうまく当たってくれないので、それだけは小さめの方が使いやすいと思います。

ちなみに、フライパンと中華鍋を洗う時に、最初のお湯は出来るだけ排水口めがけて流した方がいいと思います。ぶちまけるとシンクが無駄に油で汚れてしまうので。

おーたさん

棕櫚のたわしはBAL以外ではどこで買えますか?

さいとうさん

えーと、趣佳さんでは扱っていなかったんでしたっけ?

おーたさん

残念ながら。

さいとうさん

大変残念です。今度店長と話をしてみたいと思います。

棕櫚自体は割と強い植物らしくて、日本でも広範囲に生えているようです。昔から縄や箒に使われてきました。割烹着が似合うような箒です。棕櫚の箒もすごくいいんですよ。

でも、現在純国産の棕櫚を使ったたわしを作っているのは和歌山県海南市の会社くらいらしいです。値段がするのは、全て職人の手作業で作っているからだそうです。

おーたさん

和歌山県といえば、趣佳でお取り扱いのある作家の平岡さんが以前は和歌山市の江南に住まわれてました。今は茨城県の笠間市に移住されてバリバリ作陶されてます。

さいとうさん

宣伝ですか。

おーたさん

いえいえいえいえ!そんなつもりは全く無いですけど、先日和歌山作陶時代の焼締め作品を蔵出しでドーンと送ってくださいました。

飲食店様に多く使っていただいている力強い作品で、お料理映えがとんでもなくします。

当分制作されないシリーズですのでこの機会に是非!!また2月13日には3人展もスタートします!

さいとうさん

しっかり宣伝しましたね。

たわしを買うのであれば、近い方なら京都は三条大橋近くの内藤商店さんでしょう。ここは棕櫚のワンダーランドです。
趣佳さんとは関係なかったですね。すみません。

 

 

おしまい

 

タイトルイラスト:小林あつ子
https://atsukokobayashi.tumblr.com/

 

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