6月3日

益子参考館  濱田庄司

この日は朝から益子参考館へ。
益子を訪れたのは3回目だけど、実は、
参考館には行ったことがなかったので、行ってきました。

民芸運動の中心人物であった濱田庄司の自宅と工房が保存され、
参考館として一般公開されています。

益子参考館  濱田庄司

益子参考館  濱田庄司

益子参考館  濱田庄司

仕事場やおおきな窯はなにも主張しておらず、
当時からずっとそこにただ在るだけなのに、
こちらが勝手に畏怖の念を感じてしまうような迫力があります。
どーんと深く圧倒されました。
その他、濱田の審美眼に見込まれた蒐集品の展示の数々。
美しさとはなにか?を静かに問われているような気になって、
それを選んだ時の思考を想像してみれども、
情報不足で不完全燃焼…まだまだ勉強が必要なようです。
きもちいい緊張感でした。

その後、笠間の作家、折居ゆかさんとランチ。
以前、益子の作家、寺村光輔さんに教えていただいた
おいしいお蕎麦屋さん明水へ。

益子 明水

ここは前回の益子訪問の際にも訪れたお店で
かき揚げがおいしかったことを記憶していたので、
かき揚げがのった冷たいおそばを。
今回もとってもおいしかった!

折居ゆかさんの案内で、その後、もえぎ本店へ。
すごい急な坂道をあがっていくとステキなギャラリーが。
中は広く作家のつくる様々な作風のうつわが見れます。

益子 もえぎ  本店

その後、城内坂という益子のメイン通りに戻り、
久保田健司さんの工房へ。

お引越しされたばかりということで、
まだお仕事をされているような様子はなく、
少しがらんとした印象。
ここからまた新しい作品がたくさん生み出されるのかと思ったら
わくわくしました。

久保田健司さん 益子

久保田健司さん 益子

いっちんの技法についてあれこれ質問していると
なんと目の前でさらさらと実演してくださった。

久保田健司さん 益子

久保田健司さん 益子

久保田健司さん 益子

さらさらとなんでもないように水で溶いたドロで
唐草柄を描いていきます。もうそれだけでステキ。
今年は松本クラフトフェアにも出展され、
ますますの活躍が期待される作家さんです。

次は、鈴木稔さんの工房。
鈴木稔さんの工房は昨年の11月以来の訪問。
そのときはまだ建設中だった窯が完成していました。

鈴木稔さん 益子

↑ 去年の11月に訪問したときの写真。建設途中の窯。

↓完成した窯。

鈴木稔さん 益子

鈴木稔さん 益子

わたしが益子を初めて訪問したきっかけは、
鈴木稔さんの窯の倒壊です。

初めてお会いしたのが2010年の灯しびとの集い。

   → 初めて鈴木稔さんにお会いしたイベントのレポートはこちら
     灯しびとの集いへ行ってきました (大阪府堺市)

そのときから大好きな作品になってしまって、
ひそかに情報を追いかけていました。
そして翌年の2011年3月11日。あの震災がありました。

鈴木さんの窯が、地震で倒壊してしまっているということを
ナガオカケンメイさんのツイートで知り、
とっさに「行かなきゃ!」と思って益子陶器市の期間中に
益子に行ったのが最初です。

(今思えば、わたしが行ったことでなにかできるわけでもなく、
 なにが「行かなきゃ!」なのかさっぱりわからないのですが、
 まぁ、そのときはそんな熱量だったのです…。)

鈴木さんは陶器市会場からほど近いギャラリーで
個展の最中でした。
窯が倒壊したことで、なにから手をつけていいかわからず、
すっかりやる気をなくしてしまったと、
なんだか呆けたように見えて胸が痛かったことを覚えています。
そんな鈴木さんを元気づけられる言葉もなく、
趣佳を始めようとしていたわたしは
逆にいろんな言葉をいただいて大阪に戻りました。
(ホントなにしに行ったのでしょうか、わたし…)

その窯が!再建したのです。

今度の窯は以前の窯に比べて広く、たくさん作品が焼けます。
そして、レンガのまわりを固めることで強度も増しています。
これからここからまたかっこいい、かわいい、使い勝手がよくて
奥行きのあるステキな作品がたくさん生まれてきます。
楽しみでなりません!

5月に当店で開催したワークショップの作品も焼きあがっていましたよ!
同じ型でつくっているのに、ちょっとずつ違う作品。
来週末には届くかも。です。

鈴木稔さん 益子

そしてそして、岡田崇人さんの工房へ。
岡田さんへは連絡が突然になってしまって、
工房がフル回転で、足元にも作品をどんどん並べて行っているという
状況のなか、お邪魔してしまいました。
なので、お話も少しだけ。

岡田崇人さん 益子

岡田崇人さん 益子

岡田崇人さん 益子

岡田崇人さん 益子

また次回、ゆっくり伺えたらと思います。ありがとうございました!

各所をまわったあと、今夜の宿、フォレストイン益子へ。
コテージとホテルの中間ぐらいでしょうか。
緑豊かな県立自然公園『益子の森』の中にあるホテルで
とても居心地がよく、『安曇野ちひろ美術館』や
『牧野富太郎記念館』などを手がけた建築家の内藤廣氏設計という
ことでしたが、すっきりシンプルな建物でした。

夜は4月の企画展に出展いただいた鈴木稔さん、
岡田崇人さん、久保田健司さん、寺村光輔さんと食事会。
この食事会については、寺村光輔さんにとてもお世話になりました。

大阪と益子だとなかなか会える機会もないので、
食事をしながらいろんなお話を聞いたり話したり。

ほどよくお酒もはいって、おなかも満たされた頃、
「次行きましょうか」という寺村さんの一言。

次…?失礼ながら、益子に「次」があるんですか??

初めて行くという人たちも多い中、
「益子唯一のバー」といわれるお店へ連れて行っていただきました。

ここでまたお酒を飲み、制作の話、各地のクラフトフェアの話などなど…
この日は本当に遅くまでみなさんにお付き合いいただいて
たのしい益子の夜でした。

さて、次は3日目。
益子、笠間をいったりきたりして、夜は横浜です。

6月5日。横浜にて。

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